
豆腐の移動販売をしていると、御客様から「この豆腐は、どこの豆腐?」「何か怪しい」と良く言われます。店舗販売では、おそらく言われることのない言葉、疑問を払拭していかなければ豆腐の移動販売は成功しません。
もちろん、直ぐに怪しさ、疑問を払拭することは出来ませんが、極端な場合は「どこの宗教?」とさえ言われることもあります。今回は、何故そのようなことを言われるのか?また、その解決策に関して私の経験・解決策を書いていきます
豆腐の移動販売は怪しいのか
この疑問を御客様が持たれるのは、今の世の中の風潮では仕方ない面もあります。リアルな世界でも詐欺事件が横行してますからね。特に豆腐の移動販売のメインターゲットである70代女性は、疑い深い性格の人が多いです。
御客様が怪しいと想われる原因として
・そもそも、どこの豆腐(国産、地元産にコダワル)
・値段が高すぎる
・どこの会社
…主に、この3つです
・そもそも、どこの豆腐(国産、地元産にコダワル)
御客様が豆腐を怪しい!と言われるなかで一番多い意見は、これに尽きます。さすがに豆腐が海外産と想っている人は殆ど居ませんが、「どこで作ってるの?」ということは移動販売の中で毎日のように聞かれます。先ず、この怪しい!と言う声を消す為には「絶対的に品質に自信のある豆腐」を売らないとダメ!ということです。
そもそも、味が良いのは当然の事として品質にも絶対的な自信がないと御客様にもオススメ出来ません。私が豆腐を仕入れていたのは「地元産」「創業100年(地元で一番の老舗)」の豆腐を扱っていました。新規の御客様に対しては、仕入れ先の会社がどのような会社で、豆腐がどのように作られているか?の資料を作成して、御客様に、その資料を見せながら説明していました
「資料を見せながら説明する」と言うのは、手間暇が掛かりますが、非常に有効な手法です。70代女性は疑い深い反面、自分が気に入れば紹介もしてくれます。
・値段が高すぎる
私が移動販売している豆腐の金額はスーパーで売っている豆腐(もちろん種類が違いますが)の約2倍です。金額としては250円~300円程度。豆腐1丁としては、なかなかの金額です。ましてや、物価高で家計を抑える傾向の中で販売していくのは簡単なことではありません。ただ、上述した「どこの豆腐を販売しているのか」「どういった製法なのか」を資料を見せながら説明すると、この値段が高すぎる!との意見も消えていきます。そして、値段にコダワル人は初回は買ってくれてもリピーターには、なりません。豆腐の移動販売で成功する鍵は「如何にリピーターを増やすか」が大事です。その為には、低価格にコダワル御客様は冷たいようですが対象にはならないと言うことです。
・どこの会社
「あなたは、どこから来ているの?」との事も良く聞かれます。これは、「お宅の会社、大丈夫なの?」との意味です。豆腐の仕入れ先も製法も納得して頂いても、肝心の販売している私が信頼されることも販売の鍵に、なります。私の場合は仕入れ先と交渉して、その会社から移動販売を委託されている旨、御客様に説明していました。その為には「名刺」を作ることが大事です
豆腐の移動販売のライバル会社は勿論、ありますが「名刺」を渡す移動販売の会社は有りません。私の場合は個人事業主ですし事務所も自宅でしたが、それは全く問題になりませんでした。御客様が求めているのは「あなたは、まともな豆腐屋なのか」との疑問なんです。仕入れ先・製造方法を説明して、その上で名刺を渡すことで、御客様は納得してくれます
豆腐の移動販売は宗教と関係があるのか
私が豆腐の移動販売を始めて一番驚いたのは、「どこの宗教?」との言葉です。これは豆腐が宗教と結びついているのではなく集客=宗教と考えている人が多いからだと推測されます。
私がネットも駆使して調べましたが、豆腐の移動販売が直接的に特定の宗教と結びついているという情報は見当たりません。しかし、歴史的に見ると食文化と宗教は深く関連していて精進料理のように特定の宗教が特定の食材や調理法を推奨・禁止する場合があります。
豆腐の歴史を紐解くと、豆腐は仏教の普及とともに日本に広まったとされ精進料理の重要な食材の一つです。そのため、寺院の周辺や門前町で豆腐屋が発展した例は確かにあるのです。また少ないながらも地域によっては、特定の寺院が製造・販売する豆腐が名物となっている場合もあります。
豆腐の移動販売は、地域住民への食料提供や、手作り豆腐の美味しさを伝えるためのビジネスとして行われていることが多いと考えられます。宗教的な背景を持つ豆腐店も存在する可能性はありますが、移動販売という形態が特に宗教と結びついているとは言えません。当然、私自身も特定の宗教を信仰している訳でもありませんので、御客様から宗教との関係を聞かれた時にはハッキリと「宗教とは無関係」と伝えるべきです