
私が豆腐の移動販売を始めた2年前には同じ市内に強力なライバル会社の存在がありました。豆腐の移動販売で10年の経験があり、豆腐も本当に美味しいのです。
しかしながら、このライバルに追い付き追い越さないと私が勝ち残ることは出来ません。結論から言いますと、あれから2年経過しましたが、まだまだライバルに追い付いていないとは言えども背中は見えてきてきています。今回は私がライバルに勝つ為の戦略に関して余すことなく暴露していきます
駅前での出張販売
まずライバルである豆腐の移動販売の会社は「完全に戸建しか巡回していない」ことが事前のリサーチで分かっていました。そこで私は、ライバル会社が巡回していないエリアを突くことにしたのです。その1つ目が駅前での出張販売でした。
駅前は、通勤・通学客や買い物客など、多様な人々が行き交う場所であり、移動販売にとって非常に魅力的な場所です。ただし駅前は送迎の車やバスも多いですから迷惑の掛からない場所選定が先ずは大事です。それと、駅前で御客様に事故があれば豆腐の移動販売の存続が危なくなるので、その点も考慮して駅前でありながらも、安心して買って頂けるスポットを見つけることも大切になります。
駅前はハッキリ言って売れる場所です。上手くいけば30分(駅前では30分が限界です)で売上が2万に届くことも珍しいことではありません
(メリット)
高い集客力: 一日の乗降客数が多く、自然と多くの人の目に触れる機会が増えます。
幅広い客層: 学生から高齢者、ビジネスマン、主婦層まで、様々な属性の顧客にアプローチできます。
衝動買いの可能性: 待ち時間や通りがかりに、ふと目に留まり購入してもらえる可能性があります。
(デメリット)
競争の激しさ: 他の移動販売も多く来ますから、差別化を図る必要があります。
場所の確保: 良い場所は競争率が高く、許可(警察)が必要な場合もあります。
時間帯による人出の変動: ピーク時と閑散時の差が大きく、効率的な販売戦略が必要です。
天候の影響: ここが一番苦労しました。駅前は爆発する可能性がある一方で雨は極端に売上が落ちます。天気予報には細心の注意が必要です
(成功のためのポイント)
ターゲット層の明確化: 駅を利用する主な層(朝の通勤客、夕方の買い物客)に合わせて、品揃えや価格帯を調整します。
魅力的な商品ラインナップ: 私の場合は豆腐だけでなく、豆乳のプリン、豆乳のドーナツも取り揃えました。これらの商品は、日によっては豆腐以上に売れることも珍しくありませんでした。豆腐から派生した商品であれば御客様も喜んで買ってくれます。特に若い女性の購入率は非常に高いものがありました
積極的な声かけ: 「できたてのお豆腐はいかがですか?」など、お客様に興味を持ってもらえるような声かけを心がけます。
介護施設での出張販売
これもライバル会社が取ってない戦略でした。私は、先ず介護施設に飛込み営業を掛けました。その時には豆腐を1丁だけ無料で渡していました。何故なら豆腐さえ食べてもらえれば取引してもらえる自信があったからです。それに、介護施設に入居されている方は時間を持て余しています。
こちらから出張販売することで、入居されている方も喜んで頂き、中にはスタッフさんが購入してくれる施設も増えてきました
介護施設は建物の中で販売しますから駅前の様に雨でも売上が下がることはありません。
ただ、ここで注意しないといけないことは訪問頻度です。いくら売れても2週間に1回で充分です。1週間に1回では入居されている方も飽きてきます。心待ちにしてくれるからこそ、沢山買ってくれることを忘れないで下さい。
高齢者の方々にとって、豆腐は消化しやすく栄養価も高い食品であり、介護施設での移動販売は非常に喜んで頂けますので社会貢献的な意味もあり、やりがいも有ります。また、私の場合は、この活動を地元の新聞が掲載してくれました。それくらい豆腐の移動販売が介護施設で販売するのは画期的なんです
(メリット)
安定した需要: 高齢者施設では、定期的な食事やおやつとして豆腐の需要が見込めます。
口コミ効果: 利用者やスタッフからの口コミで広がりやすいです。マスコミが取り上げてくれる可能性が大
社会貢献: 高齢者の食生活を豊かにする一助となります。
(デメリット)
衛生管理の徹底: 高齢者は免疫力が低下している場合があるため、特に衛生管理に注意が必要です。
介護施設側の協力: 事前の許可や販売スペースの確保など、介護施設側の協力が不可欠です。
個別ニーズへの対応: 柔らかい豆腐や少量パックなど、高齢者特有のニーズに対応する必要がある場合があります。
公民館での出張販売
公民館は、地域住民の交流拠点であり、イベントや教室などが開催されるため、地域住民へのアプローチに適しています。
(メリット)
地域住民との接点: 地域に根ざした顧客層に直接アプローチできます。
イベントとの連携: 公民館で開催されるイベントに合わせて出店することで、集客効果が期待できます。
安心感: 地域住民にとって馴染みのある場所であり、安心して購入してもらいやすいです。
(デメリット)
集客の変動: イベントの有無や時間帯によって、集客が大きく変動する可能性があります。
場所の確保: 他の出店者との調整や、公民館の許可が必要となる場合があります。
地域ニーズの把握: 地域住民の嗜好やニーズを把握する必要があります。
マンションでの出張販売
マンションの敷地内やエントランス前での移動販売は、居住者にとって手軽に購入できる機会を提供できます。ライバル会社は戸建しか巡回してませんでしたから、マンション販売にも積極的に取り組みました
(メリット)
居住者への直接販売: 安定した顧客層を確保しやすいです。
天候に左右されにくい: マンションのエントランスなど、屋根のある場所で販売できる場合があります。
口コミ効果: 居住者間の口コミで広がりやすいです。
(デメリット)
管理組合の許可: 事前に管理組合の許可を得る必要があります。ここが一番のポイントです
居住者ニーズの把握: 居住者の年齢層や家族構成などを考慮した品揃えが必要です。
販売スペースの制限: 販売スペースが限られている場合があります。
時間帯の調整: 居住者の生活パターンに合わせて、販売時間を調整する必要があります。
山間部での販売
山間部では、食料品の購入が困難な地域も存在するため、移動販売は地域住民にとって貴重な存在となります。巡回する数は極端に減りますが、買い物に不便されていて家族の人数も多いので客単価は非常に高いです。また、確実に在宅してくれている点でも非常に有り難いエリアと言えます
(メリット)
競合が少ない可能性: 他の販売業者が少なく、独自の市場を築ける可能性があります。
地域住民からの感謝: 食料品を手軽に購入できる機会を提供することで、地域住民から感謝されることが多いです。
地域との深い繋がり: 地域住民との交流を通じて、信頼関係を築きやすいです。紹介が非常に出やすいです
(デメリット)
移動距離と時間: 販売場所までの移動に時間と労力がかかります。
顧客数の少なさ: 人口が少ないため、一度の販売での売上が限られる場合があります。
天候や道路状況の影響: 天候や道路状況によっては、販売が困難になる場合があります。
高齢化率の高さ: 高齢者向けの品揃えやサービスが必要です。
豆腐の移動販売は後発でも非常に強いライバルが存在していても、負けないだけの豆腐の品質と弱者の戦略があれば充分に戦うことができます。私のライバル会社はテレビ番組でも取り上げられるほどの有名な豆腐屋で移動販売も約10年やっています。
それでも上述のようにライバル会社の弱点・隙を突いて「先ずは勝てる戦略」を一つずつ増やしていくことです。広いエリアで勝つ必要は全くありません。先ずは、ライバルの弱いエリアを洗い出し確実に戦略を実行していけば勝ち残ることは可能です