
豆腐の移動販売を開業する時の資格・届け出の一覧を書いていきます。これらの許認可の関係は私は苦手で一時は知り合いの行政書士に依頼しようか悩みました。しかしながら税務署への届け出まで依頼すると10万の報酬が掛かると言われ、当時、資金が苦しかった私は行政書士への依頼を断念した経緯があります
今、振り返ると自分で行動して良かったと考えています。フランチャイズ加盟も含めて外部に依頼すると自分は楽ですが、その分の費用は大きくなります。また、自分で行動することで何よりも「絶対に成功する!」との覚悟も固まります。
私の場合は自分で行いましたが、開業する時の資格・許可また理想的な豆腐移動販売の営業時間も書いていきます
豆腐の移動販売 開業に必要な資格・許可
豆腐の移動販売を始めるにあたっては、いくつかの資格と許可が必要になります。これらは食品の安全性を確保し、法令を遵守するために非常に重要です。
1. 食品衛生責任者
概要: 食品を扱う事業者は、施設または事業所ごとに食品衛生責任者を置くことが義務付けられています(食品衛生法)。移動販売車も「施設」とみなされます。食品衛生責任者は、食品の衛生管理に関する知識を持つ者として、衛生管理計画の作成や従業員への衛生教育などを行います。
取得方法
都道府県知事などが指定する食品衛生責任者養成講習会を受講し、修了することで資格を取得できます。
栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を持つ方は、講習会の受講が免除される場合があります。
講習会の内容は、食品衛生法規、食品の衛生管理、食中毒予防など多岐にわたります。
重要性
食品衛生責任者の配置は、営業許可を得るための必須条件の一つです。消費者に安全な豆腐を提供するためにも、しっかりと資格を取得しましょう。
2. 営業許可(食品営業自動車)
概要: 移動販売を行うためには、車両ごとに都道府県知事または政令で定める市長(保健所設置市の市長など)の営業許可が必要です(食品衛生法)。豆腐は「食料品販売業」または製造・加工を伴う場合はその業種に応じた許可が必要になる可能性があります。
申請先: 移動販売を行う地域を管轄する保健所
申請に必要な書類(一般例)
営業許可申請書
食品衛生責任者の資格を証明する書類(修了証など)
移動販売車の構造設備の概要を示す書類(設計図、写真など)
給水タンクおよび排水タンクの容量を示す書類
販売する食品の種類と内容
営業計画書
申請者の身分証明書
手数料
場合によっては、水質検査成績書なども必要です
車両の構造設備基準: 移動販売車は、食品を衛生的に取り扱うための構造設備基準を満たしている必要があります。主な基準としては、下記になります
清潔な作業スペースの確保
十分な容量の給水タンクと排水タンクの設置
冷蔵・冷凍設備の設置(必要な場合)
食品の温度管理が適切に行える設備
廃棄物を衛生的に処理できる設備
清掃・消毒が容易な構造
防虫・防鼠対策
事前相談の重要性: 申請前に必ず管轄の保健所に相談し、必要な書類や車両の構造設備に関する指導を受けることを強く推奨します。地域や販売する食品によって基準が異なる場合があります。
3. その他の許可・届出
露店営業許可/道路使用許可: 公道や公園など、許可された場所以外で販売を行う場合は、露店営業許可や道路使用許可が必要になる場合があります。これらの許可は、所轄の警察署や道路管理者などに申請します。
自治体独自の条例: 地域によっては、移動販売に関する独自の条例が定められている場合があります。事前に確認しておきましょう。
開業届: 個人事業として開業する場合は、税務署に開業届を提出する必要があります。
豆腐移動販売の理想的な営業時間
豆腐の移動販売における理想的な営業時間は、ターゲットとする顧客層、販売する地域(地方/都会)、競合店の状況、そして販売する豆腐の種類や価格帯など、様々な要因によって大きく左右されます。
基本的な考え方
ターゲット顧客のライフスタイルに合わせる: 主婦層がターゲットであれば午前中から午後の早い時間、仕事帰りの層がターゲットであれば夕方以降など、顧客が購入しやすい時間帯を狙うことが重要です。
需要の高い時間帯を把握する: 地域住民の生活パターンやイベント開催時など、豆腐の需要が高まるタイミングを見計らって出店することで、売上向上に繋がります。
鮮度を考慮する: 豆腐は生ものであるため、品質を維持できる時間帯での販売が重要です。特に夏場などは、温度管理に注意し、長時間販売を避ける必要があるかもしれません。
時間帯別の考察:
午前 (9:00~12:00)
メリット: 主婦層や高齢者が買い物に出かける時間帯。新鮮な豆腐を求める層にアプローチしやすい。
デメリット: 出勤前の会社員などはターゲットになりにくい。
適した場所: 住宅街、スーパーマーケットの駐車場、朝市など。
午後 (12:00~17:00)
メリット: ランチ後の買い物客や、夕食の準備を始める主婦層にアプローチできる。
デメリット: 時間帯によっては人通りが少なくなる可能性も。
適した場所: 住宅街、商店街、オフィス街周辺(夕方)、イベント会場など。
夕方 (17:00~20:00)
メリット: 仕事帰りの会社員や学生など、夕食の材料を求める層にアプローチできる。
デメリット: 鮮度が気になる顧客もいるかもしれない。
適した場所: 駅周辺、オフィス街、住宅街など。
週末・祝日
メリット: 家族連れやレジャー客など、普段とは異なる層にアプローチできる。イベント開催時などは大きな集客が期待できる。
デメリット: 競合店も多くなる可能性がある。
適した場所: 公園、イベント会場、観光地周辺、住宅街など。
理想的な営業時間の例
住宅街中心: 平日午前10時~午後3時、土日祝日午前10時~午後5時
オフィス街中心: 平日午前11時半~午後1時半(ランチタイム)、午後5時~午後7時(帰宅時間)
イベント出店: イベントの開催時間に合わせて
重要なポイント
顧客の反応を見る: 試験的に様々な時間帯で営業を行い、顧客の反応や売れ行きを分析することが重要です。
天候に左右される: 雨天や悪天候時は客足が大きく減少する可能性があります。
柔軟性を持つ: 固定された時間に固執せず、顧客のニーズや地域の特性に合わせて柔軟に営業時間を変更していくことが成功の鍵となります。
地方と都会の違い
豆腐の移動販売において、地方と都会では顧客のニーズ、生活スタイル、競合店の状況などが大きく異なります。これらの違いを理解し、それぞれの地域に合わせた戦略を立てることが重要です。
1. 顧客層とニーズ:
地方
高齢者層の割合が高い傾向があります。
昔ながらの製法や地域に根ざした豆腐を好む傾向がある
近所の豆腐店が少ない場合、移動販売は貴重な購入機会となります。
まとめ買いをする傾向がある
価格よりも品質や安心感を重視する傾向がある
都会
若い世代や単身世帯の割合が高い傾向があります。
健康志向やオーガニック志向の顧客が多いかもしれません。
スーパーやコンビニエンスストアなど、豆腐の購入場所が多いです。
少量パックや手軽に食べられる豆腐のニーズが高い
価格に敏感な顧客もいる
2. 生活スタイルと購買行動:
地方
車での移動が中心となる場合が多く、駐車場のある場所が重要になります。
近所づきあいが深く、口コミによる情報伝達が期待できます。
イベントや地域のお祭りなど、地域コミュニティの活動が活発な場合があります。
都会
公共交通機関の利用が多く、駅周辺や商業施設などが集客しやすい場所となります。
情報収集はインターネットやSNSが中心となる傾向があります。
ライフスタイルが多様で、特定の時間帯に人が集中する傾向があります。
3. 競合店の状況
地方
昔ながらの豆腐店や個人経営の商店が少ない場合があります。
移動販売の競合が少ない可能性もあります。
地域によっては、独自の販売ルートを持つ豆腐店が存在する可能性あり
都会
スーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店など、豆腐を取り扱う店舗が多いです。
移動販売の競合も多い可能性があります。
差別化を図るための工夫(商品の独自性、接客、販売方法など)がより重要になります。
4. 販売場所の確保
地方
比較的、空きスペースやイベント会場などを見つけやすい
地域住民との関係性を築きやすい
都会
出店場所の確保が難しく、競争も激しいです。
商業施設やオフィス街など、集客力の高い場所は出店料が高くなる傾向があります。
地域別の戦略例
地方
高齢者向けに、柔らかく食べやすい豆腐や、大容量パックなどを中心に販売する。
地域のイベントや朝市などに積極的に出店し、地域住民との関係性を築く。
口コミを促進するために、丁寧な接客や試食販売を行う。
都会
健康志向の顧客向けに、有機栽培大豆を使用した豆腐や、低カロリー・高タンパクな豆腐などを販売する。
SNSを活用した情報発信や、オンライン販売との連携を検討する。
オフィス街のランチタイムや、駅周辺の帰宅時間帯など、ターゲット層に合わせた時間と場所で販売する。
(まとめ)
豆腐の移動販売を成功させるためには、開業に必要な資格と許可をしっかりと取得し、地域の特性やターゲット顧客に合わせた理想的な営業時間を設定することが重要です。地方と都会では顧客のニーズや生活スタイルが大きく異なるため、それぞれの地域性を理解し、柔軟な戦略を立てていくことが成功への鍵となります