高校野球103回目の夏の甲子園が終わりました。

昨年はコロナの影響で、まさかの中止…。

多くの高校球児が涙を飲みました。

今年も、コロナの影響で開催が危ぶまれましたが、高野連の英断で無事に開催されました。

大本命と言われた大阪桐蔭が、まさかの2回戦で敗退。

大阪桐蔭が敗れたのは滋賀県の近江高校でした。

まさに、その近江高校がベスト4止まりとは言えども、今大会の主役であったことに違いありません。



大阪桐蔭に勝つべくして勝った近江高校

近江高校は滋賀県では古豪の高校です。

2001年には全国の決勝で東京の日大三高に破れたとは言え、全国で準優勝を果たしています。

その後も、滋賀県内では毎年上位に進出しながらも、近畿圏内では、唯一「全国制覇」の無い滋賀県。

今年の近江高校は、スーパー中学生で有名だった山田君を主戦投手に擁し、実力は出場校の中でも上位と言われていました。

 

ところが…。

 

そんな期待を裏切るかのように、1回戦の日大東北高校に勝っても、2回戦の相手が優勝候補・大本命の大阪桐蔭

 

近江高校の実力は、高校野球ファンなら、誰もが認めながらも

近江高校が大阪桐蔭を倒す

…とは、殆どのファンが考えていなかったハズです。



大阪桐蔭の敗退は必然

今年の甲子園大会は、雨とコロナに振り回された異例の大会でした。

初戦で宮崎商がコロナ感染で棄権

東北学院は初戦で優勝候補の愛工大名電を圧倒しながらも、二回戦でコロナの為に棄権

当初からコロナは、心配されてはいましたが、実際に甲子園大会でコロナの為に棄権せざるを得ない高校が2校も出たことは今後の高野連の対策が注目されます。

 

大阪桐蔭も近江高校も雨の影響を多分に受けたとは言え、順当に初戦を突破しました。

順延続きでしたが、予想通りに大阪桐蔭と近江高校は二回戦で顔合わせしました。

試合が始まる前の先発メンバーの発表で、大阪桐蔭の先発投手はエースの松浦君ではなく、竹中君でした。

 

エースの松浦君は初戦で雨中の中で投げたとは言え、相手の近江高校の実力を考えると、意外な先発投手・竹中君の起用でした。

 

大阪桐蔭の西谷監督は

「松浦を温存した訳ではない」

と、試合後に発言していましたが、明らかに大阪桐蔭は、近江高校戦以降の戦いを意識して、エース松浦君を温存したのは明白でした。

それでも、さすがに大阪桐蔭は実力通りに、序盤から好投手・山田君を攻略して4対0とリードします。

 

この序盤の展開を見ると、

大阪桐蔭の圧勝

…を予想したファンは多いハズです。



近江高校が流れを引き寄せたスクイズ

控え投手の竹中君が先発しながらも、序盤から好投手の山田君を打ち崩し大差の勝利と誰もが、予想した近江高校との一戦でしたが、近江高校は3回裏に名将・多賀監督が想わぬ戦法で大阪桐蔭のリズムを崩します。

 

3回表の時点で大阪桐蔭が4点のリード。

 

3回裏の近江高校はランナーを3塁に進めてはいましたが点差を考えると、当然ヒッティングのケースです。

 

ところが。

 

名将・多賀監督が選んだのは、思いもよらぬスクイズでした。

予想外の戦法で1点を返したとは言え、大阪桐蔭相手に、アウトカウントを重ねるスクイズに疑問の声が挙がりました。

しかしながら、近江高校は、この3回裏まで完全に大阪桐蔭に迫力に、飲まれていました。

そのナインの様子を見ての多賀監督の、奇策とも言えるスクイズ作戦。

ここから、少しずつ近江高校は落ち着きを取り戻し、逆に大阪桐蔭は想わぬ展開になります。



高校野球の見本・近江高校野球部

3回裏の想わぬスクイズで点差を3点に縮めた近江高校。

その後も、1点ずつ大阪桐蔭に詰めよっていきます。

それでも、大阪桐蔭が近江高校を振り切るだろう…との予想が大半でした。

 

ところが、大阪桐蔭は近江高校・先発の山田君を4回からは全く打てず大苦戦に、なります。

近江高校は、落ち着きを完全に取り戻して、遂に7回には同点に追い付きます。同点で迎えた8回の近江高校のチャンスで、大阪桐蔭は投手・竹中君を降板させます。

 

誰もが、温存していたエース松浦君の登板を予想しましたが、継投したのは松浦君ではなく、川原君でした。

この時には、エース松浦君も投球練習は終えており、登板は、いつでも可能な状態でした。

 

それにも関わらず、松浦君の登板を回避して敢えて、川原君を登板させたことで

「エース松浦君は故障してるのでは?」

…との憶測も呼びました。

 

結局、エース松浦君の温存は裏目に出て、川原君が近江高校の打線につかまり決定的な2点を取られます。

近江高校は県大会を通じて完全に確立されていた

先発:山田君⇒リリーフ:岩佐君

…と予定通りの継投が見事にハマり、9回裏の大阪桐蔭の攻撃も岩佐君が危なげなく投げきり、近江高校が大阪桐蔭に勝利しました



地域格差が無くなった甲子園大会

滋賀県代表の高校が大阪代表に勝利したのは、大会を通じて初めての事です。

 

しかしながら、その後の近江高校が危なげなくベスト4入りしたことや、大差の試合が殆ど無かったことを考えると、過去に明確にあった「地域格差」は、今では殆ど無くなったとも言える今大会でした。

 

今大会は近畿勢が、圧倒的な強さを見せたのは事実です。

 

決勝戦も智辯和歌山 対 智辯学園…と言う今後、久しく無いと想われる兄弟校での決勝戦。ベスト8に進出した高校で印象に残ったのは島根県の石見智翠館高校でした。

以前の高校名(江の川)の方が有名ですが、かつては「弱小県」の代表とも言われた島根県代表が近畿勢相手に奮闘してベスト8まで勝ち残ったのも今大会の特筆すべき点でした。

確かに島根県の石見智翠館高校は、野球留学生が部員の大半を占めるのは事実です。それに対して沢山の批判があるのも事実です。

しかしながら、石見智翠館高校は普段から高校周辺ゴミ拾いを、何年も続けていて、甲子園大会中でも、球場のゴミ拾いをして、周辺住民からの感謝・応援を得るようになった事は余り知られていない事実です。

石見智翠館高校は、かつての「江の川高校時代」は悪評高き高校でした。

高校は、当時から男子校でしたが、荒れる学生が集まる高校として有名だった江の川高校。例え、野球留学生が多いとは言え、周辺住民が今では、応援してくれる高校に生まれ変わったのは野球部員の、日常の行いが、周辺住民の心を動かしたのは間違いないところです。



近江高校・山田君は来年ドラフトの目玉

ベスト4まで進出して、最後は日程的な厳しさもあり智辯和歌山に敗退した近江高校。それでも、今大会で、優勝した智辯和歌山を一番、苦しめたのは間違いなく近江高校です。

その近江高校の中でも、ひと際、目立ったのは2年生の山田投手です。

中学生時代から「スーパー中学生」として騒がれていた山田君。

進路は大阪桐蔭が「確実」とも言われていました。

 

何故なら、山田君の兄が大阪桐蔭の出身だからです。

(現在は日本体育大学・野球部所属)

 

日本一を目指すならば、当然、大阪桐蔭に進学したほうが可能性が高いのは否定できません。

それでも、山田君は

大阪桐蔭を倒して、地元滋賀県で優勝する

ことを心に誓い、地元の近江高校に進学したのは大きな話題にも、なりました。

 

山田君・岩佐君ともに甲子園が始まるまでは、それほど注目は、されていなかった投手です。しかしながら山田君は、まだ2年生と言うこともあり、また打っても強打の4番ですから早くも、来年のドラフトの目玉として、大きな注目を集める存在として躍り出ました。

 

山田君は、智辯和歌山に敗退後、号泣していましたが、逆に決勝戦まで勝ち進んでいれば過酷な日程でしたので正直、ケガが心配されたところです。

 

一躍、プロ注目に躍り出た山田投手を中心に、来年の近江高校は今年よりも期待が掛かります。

近畿勢で唯一、優勝経験の無い滋賀県も、近江高校を中心にして夏の大優勝旗を持ち帰るのは、遠くはないと感じる今大会の近江高校の活躍でした。

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